- 日本形成外科学会 認定専門医
- 日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
- 2016年 スキンリファインクリニック吉祥寺院院長 勤務
- 2021年 東京美容外科 銀座院院長 勤務
- 2024年 GLAMRULE CLINIC 銀座院 院長

アクアミドは、かつて「半永久的に効果が続く注入剤」として美容整形の現場で注目を集めました。ヒアルロン酸とは異なり、分解されずに長く残るという特徴から、しわの改善や輪郭形成を目的に使用されてきましたが、その一方で、体内に残ることによるリスクも報告されています。
現在も一部のクリニックで使用されているアクアミド注入ですが、本当に安全なのでしょうか。
この記事では、アクアミド整形の仕組みや施術可能な部位、他の注入材との違い、安全性に関する注意点まで、患者様が知っておくべき情報をわかりやすく解説します。
当院では、患者様の安全を最優先に考え、注入剤の選定からアフターケアまで丁寧に対応しております。
アクアミドは、主に非吸収性のポリアクリルアミドという成分から構成されており、注入後も体内で吸収されずに長期間残るという特性があります。
この特性が「半永久的」と呼ばれる理由です。
含まれる成分は約97.5%が水分で、残りの2.5%がポリアクリルアミドとされており、ゲル状の物質として皮下に注入されます。
時間とともに体内の組織と一体化するように安定し、持続性が非常に高いのが特徴です。
そのため、ヒアルロン酸のように数ヶ月から1年程度で吸収されてしまう素材と比較すると、長く効果を維持したいと考える人にとっては魅力的に映ります。
しかし、体内に長く残るということは、それに伴うリスクもあるという点を理解する必要があります。
アクアミドは、ヒアルロン酸やレディエッセといった他の注入剤と比較して、持続期間が圧倒的に長いことが最大の特徴です。
ヒアルロン酸は体内に自然に存在する物質の一つであり、注入後は半年から1年程度で徐々に分解・吸収されていきます。
一方で、アクアミドは体内で分解されることがなく、時間が経っても注入された箇所に残り続けます。
また、ヒアルロン酸にはヒアルロニダーゼという分解酵素があり、万が一仕上がりに満足できない場合やトラブルが生じた場合でも比較的簡単に修正が可能です。
しかし、アクアミドは溶解剤が存在しないため、注入後の修正が非常に難しくなるというデメリットがあります。
そのため、アクアミドは一度注入すると容易に取り除くことができず、慎重な判断が求められます。
アクアミドはゲル状の柔らかいフィラーであり、顔の特定部位にボリュームを出す目的で使用されます。
特に、しわが深く刻まれやすいほうれい線やマリオネットラインに注入することで、皮膚を持ち上げて若々しい印象を与える効果が期待されます。
その他にも、頬のこけた部分やこめかみの凹みに対しても有効で、顔全体のバランスを整える施術に適しています。
自然なボリューム感を出せる一方で、注入の量や場所を誤ると不自然な膨らみとなってしまう可能性もあるため、注入技術とデザイン力が問われます。
アクアミドは隆鼻術やあごの形成にも使用されることがあります。
特に、メスを使わずに鼻筋を通したいと希望する人にとっては、比較的手軽な施術方法として選ばれることがあります。
また、あごのラインをシャープに見せたい場合や、フェイスラインの補正目的でも用いられます。
顔の輪郭に立体感を与えたり、しわの改善にも活用できる一方で、微調整が難しく、注入後に形が気に入らない場合でも簡単に修正できないというリスクがあります。
この点を十分に理解した上で、施術を検討することが大切です。
アクアミドは非吸収性であるがゆえに、注入後に体内にとどまり続けます。
一見、長期的な効果が得られるという点で優れているように感じられますが、それが同時に「除去が困難」「長期リスクが残る」というデメリットにもなります。
体質や部位によっては、注入から数年後に炎症や異物反応を起こすこともあり、そうなった場合には外科的に取り除くしかないケースもあります。
このようなトラブルが起きた際に、完全に元の状態に戻すことは難しい場合が多く、事前にしっかりと理解しておく必要があります。
アクアミドに関しては、国内外でしこり、腫れ、赤み、感染症、異物肉芽腫などの報告があります。
特に、時間が経ってからトラブルが発生する「遅発性の合併症」が問題視されています。
例えば、数年後に注入部位に硬いしこりが現れたり、ゲルが移動して非対称な形になるといった事例が報告されています。
こうした副作用はヒアルロン酸では起こりにくく、アクアミド特有のリスクといえます。
安全性の観点からも、施術前にこれらのリスクについて医師から十分な説明を受けることが重要です。
アクアミドによる整形でトラブルが生じた場合、自然に吸収されないため、薬剤での溶解や非侵襲的な治療では対応が難しくなります。
軽度の炎症であれば、抗生剤やステロイドなどの内服や注射で対応することもありますが、異物反応やしこりがひどい場合には、外科的に切開して除去する必要が出てきます。
しかし、除去手術は困難を伴い、完全に取り除けないこともあるため、施術前にリスクをしっかりと把握することが極めて重要です。
現在、日本国内ではアクアミドの取り扱いを中止しているクリニックも多く見受けられます。
これは、過去に報告された副作用やトラブルの影響により、安全性に対する懸念が高まったためです。
一部のクリニックでは、限定的に使用している例もありますが、その場合も十分なカウンセリングと説明が求められています。
患者のリスク理解を前提として、あくまで選択肢の一つとして提示されることが多く、積極的な使用を推奨している施設は少数派となっています。
アクアミドは、ヨーロッパや一部のアジア諸国などで過去に使用されてきましたが、現在では規制が強化されており、販売が制限または禁止されている国もあります。
たとえば、欧州連合では安全性に関する懸念から承認が取り消された事例もあり、アメリカではFDAの承認を得ていないため、使用自体が行われていません。
国によって規制状況は異なるものの、安全性に対する評価は世界的に見ても厳しくなっている傾向があります。
アクアミドは繊細な調整が必要な注入剤であるため、医師の経験と技術力が仕上がりを大きく左右します。
わずかな注入量の差で結果が大きく変わることもあるため、解剖学的な知識と美的センスを併せ持つ医師を選ぶことが重要です。
また、術後の腫れや内出血などに対するアフターケア体制が整っているかどうかも、クリニック選びの際の重要なポイントとなります。
施術前の十分なカウンセリングと、万が一のトラブル時の対応体制が整っているかを確認しておくことが大切です。
美容整形においては、効果の持続性だけでなく、安全性や修正のしやすさも重要な要素です。
アクアミドのように分解されない注入剤は長期的に見たリスクが高いため、ヒアルロン酸など可逆性の高い素材を選ぶという選択も十分に検討すべきです。
また、施術前にリスクとメリットの両方をしっかりと把握した上で、自分にとって最も納得のいく方法を選ぶことが、美容医療で後悔しないための第一歩となります。