- 日本形成外科学会 認定専門医
- 日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
- 2016年 スキンリファインクリニック吉祥寺院院長 勤務
- 2021年 東京美容外科 銀座院院長 勤務
- 2024年 GLAMRULE CLINIC 銀座院 院長
「豊胸で300ccアップしたいけど、脂肪注入とシリコンバッグ、どっちがいいの?」
脂肪豊胸はナチュラルな仕上がりが魅力ですが、定着率や再施術によるコスト増に注意が必要です。
一方でシリコンバッグは、一度の施術でしっかりサイズアップできるうえに、価格も比較的安定しているのが特長。
今回は「300ccの豊胸」を基準に、脂肪吸引・麻酔・必要な工程も含めたトータル費用を算出。後悔しない選択のために、費用だけでなくダウンタイムや身体への負担まで含めて、冷静に比較していきます。
脂肪注入豊胸では、注入した脂肪のすべてが定着するわけではありません。定着率は50〜70%前後とされており、見た目で300cc相当のボリュームを出すには、400〜500cc以上の脂肪注入が必要です。
そのため、最終的に理想のサイズにするには2回以上の施術が必要になる場合もあります。
脂肪注入を行うには、単に「胸に注入する」だけではなく、さまざまな処置が必要になります。
太ももやお腹、腰などから脂肪を採取します。片胸150〜250cc注入するには、両胸で300〜500cc以上の脂肪が必要になるため、1000cc以上の吸引が必要になるケースもあります。
採取した脂肪から不純物を除去し、注入に適した脂肪細胞のみを抽出します(コンデンス処理など)。
丁寧に層を分けて複数回に分けながら注入していくため、医師の技術力が仕上がりに大きく影響します。
広範囲の吸引と注入を安全に行うために、静脈麻酔や全身麻酔が必要になることが多いです。
つまり、脂肪豊胸には「脂肪があること」だけでなく、「適量を採れる部位があるか」「注入に耐えられる皮膚の厚みがあるか」「全身麻酔を安全にかけられるか」など、複数の条件をクリアする必要があるのです。
費用項目 | 相場(税込) |
---|---|
脂肪吸引(太もも・腹部など) | 約30〜50万円 |
脂肪注入豊胸(1回) | 約60〜90万円 |
麻酔(全身麻酔など) | 約20万円 |
1回あたりの合計 | 約110〜170万円前後 |
※2回施術する場合、総額で200〜300万円程度になる可能性があります。
シリコンバッグ豊胸では、200ccでも300ccでも400ccでも、基本的に料金が変動することはありません。
バッグのサイズで金額が決まるのではなく、施術内容や使うインプラントのグレードによって料金が設定されています。
また、バッグは一度挿入すれば形状を維持し続けるため、注入後にサイズダウンすることはありません。脂肪注入のように「定着率」や「再注入の必要性」を心配する必要がないのも、大きなメリットです。
さらに、ケラーファンネルという特殊な器具を使って無接触でバッグを挿入することで、傷跡を小さく抑え、感染リスクも低減できます。
費用項目 | 相場(税込) |
---|---|
シリコンバッグ挿入術 | 約100~140万円 |
インプラント代(Motivaなど) | 約20〜30万円 |
ケラーファンネル使用 | 約3〜5万円 |
麻酔(全身麻酔) | 約20〜30万円 |
合計 | 約150〜170万円前後 |
一度で確実に理想のバストサイズが手に入るという点では、シリコンバッグ豊胸はコスト面でも再現性の面でも非常に安定した選択肢といえます。
比較項目 | 脂肪豊胸 | シリコンバッグ豊胸 |
---|---|---|
実現方法 | 自分の脂肪を注入 | 人工バッグを挿入 |
定着率 | 約50〜70% | ほぼ100%そのまま |
施術回数 | 1〜2回必要なことも | 1回で完了 |
費用目安 | 110〜170万円(1回) 200〜300万円(2回) | 130〜160万円 |
ダウンタイム | 吸引部位も含め長め | 比較的短め |
メリット | 自然な質感 部分痩せも◎ | サイズコントロールしやすい |
デメリット | 脂肪が足りないと不可 | バッグ特有の感触あり |
脂肪豊胸とシリコンバッグ豊胸は、それぞれにメリットがありますが、費用や通院回数、仕上がりの確実性まで含めて総合的に考えると、シリコンバッグ豊胸のほうがコストパフォーマンスに優れていると言えます。
脂肪注入は自然な触感と見た目が魅力ですが、定着率に個人差があり、思ったほどボリュームが出なかったり、再施術が必要になることも多く、結果的に高額になる傾向があります。また、脂肪採取のための吸引処置や術後のダウンタイムも長めです。
一方、シリコンバッグ豊胸は一度の施術で確実に希望サイズに到達できるため、追加費用や再施術の心配がほとんどありません。
さらに、ダウンタイムも比較的短く、身体への負担も少ないことから、術後の日常生活への影響も最小限に抑えられます。
「費用をなるべく抑えたい」「短期間で結果を出したい」「通院を最小限にしたい」
そんな方には、お財布にも心身にもやさしいシリコンバッグ豊胸が現実的かつ賢い選択といえるでしょう。