- 日本形成外科学会 認定専門医
- 日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
- 2016年 スキンリファインクリニック吉祥寺院院長 勤務
- 2021年 東京美容外科 銀座院院長 勤務
- 2024年 GLAMRULE CLINIC 銀座院 院長
ヒアルロン酸注入はシワ改善やボリュームアップなど、即効性の高い美容施術として人気がありますが、ごくまれに壊死という重大な合併症を引き起こすことがあります。
特に気になるのは、いつ壊死が起こるのか、何日後に症状が出るのかといったタイミングや、早期発見・適切な対処法ではないでしょうか。
本記事では、ヒアルロン酸注入後に起こり得る壊死のリスクと発症時期、初期症状、予防策から治療・回復まで解説します。
ヒアルロン酸注入直後から数時間以内に発生する壊死は、最も危険なパターンのひとつです。
このタイプの壊死は、動脈内へのヒアルロン酸の誤注入によって血流が急激に遮断されることで起こります。
主な初期症状として、注入部位に強い痛みが生じたり、皮膚が蒼白になる、あるいはチアノーゼと呼ばれる青紫色に変色するなどの変化が現れます。
これらの兆候は、組織への酸素供給が著しく低下していることを示しており、迅速な対応が求められます。
一方、壊死の発症が24〜48時間後、あるいはそれ以降の数日間にわたって徐々に現れる場合もあります。
このタイプは注入時には特に異常が見られず、時間の経過とともに痛みや皮膚変色が出現します。
最初は単なる腫れや赤みとして見過ごされやすいものの、実際には組織内で血行障害が進行している可能性があります。
壊死が進行すると、通常1週間から10日程度で皮膚症状がピークに達します。この段階では、壊死した組織が黒ずみ、乾燥して硬くなる痂皮(かひ)が形成されることがあります。
しかし、この後も完全な治癒には時間がかかり、瘢痕や皮膚の陥凹が残ることも珍しくありません。
重症例では、治癒までに数か月単位の経過観察と治療が必要になります。
例:48時間以降の皮膚変化例
医学的な症例報告では、注入から48時間以降に皮膚の網目模様(リベド状変化)や紅斑、水疱が出現した例も報告されています。
これらの変化は、遅れて発症する壊死の典型的な兆候とされ、初期に明確な症状がないからといって安心することはできません。
観察期間を最低でも1週間は設け、少しでも異変を感じたら早めに専門医に相談することが大切です。
壊死の最も早期のサインとして多く報告されているのが、注入部位に感じる異常な痛みです。
通常の注入による軽い刺激とは異なり、強く持続する鋭い痛みを伴うことが特徴です。
痛みの程度や持続時間に注意を払い、通常と異なると感じた場合は直ちに医療機関に相談する必要があります。
血行障害によって皮膚の色調は時間とともに変化します。初期には皮膚が白くなり、次第に赤紫や紫に変化し、最終的には壊死による黒変に至ることがあります。
色の変化は、血流の回復が不十分であることを示しており、進行すると取り返しのつかない損傷になる可能性があります。
注入部位に蒸れたような感覚や冷たさを感じる場合も、血流が阻害されている兆候です。
特に皮膚温が周囲と比較して明らかに低い場合は、循環不全が起きていると考えられます。
こうした異常は見逃されがちですが、早期発見のヒントとなります。
リベド状変化と呼ばれる網目模様の浮腫や、赤みを伴う紅斑、水疱、さらに皮膚のびらんや痂皮(かひ:乾いたかさぶた)などの症状が見られる場合、壊死の進行が強く疑われます。
これらの症状が複数同時に現れた場合は、皮膚が深部から壊死に向かっている状態と考え、迅速な対応が必要です。
壊死が進行し、皮膚が潰瘍を形成する段階に至ると、治癒には長期間を要します。
また、潰瘍が治った後には瘢痕が残り、部位によっては明らかな変形や陥凹となることもあります。
美容目的で行った処置であっても、重篤な後遺症につながるリスクがあるため、壊死の兆候が見られた段階で適切に対処することが極めて重要です。
施術中または直後に皮膚の色調変化や強い痛みが見られた場合、すぐに注入を中止することが原則です。
これにより、まだ可逆的な段階での対応が可能になる可能性があります。施術者は常に異常の早期発見に努めるべきです。
壊死が疑われた際の最も有効な治療法は、ヒアルロニダーゼによるヒアルロン酸の分解です。
特に高用量でのパルス注入や、広範囲への拡散的な注入が推奨されています。時間との勝負であるため、1時間以内の投与が理想とされます。
場合によっては、高圧酸素療法や抗血栓薬の投与、さらには低分子量ヘパリンの使用といった医療的介入が行われることもあります。
これらは医師の判断と設備が必要であり、速やかな医療機関への紹介が求められます。
症状 | 対応目安 |
---|---|
皮膚の変色が進行している | 直ちに医療機関を受診 |
激しい痛みが持続している | ハイアラーゼ注入を検討 |
潰瘍の形成が始まっている | 皮膚科または形成外科へ |
軽度の壊死であれば、適切なケアにより自然治癒するケースもあります。
皮膚の再生には数週間を要し、完全な修復にはさらに数か月かかることもあります。この間、感染予防や保湿などの基礎的なスキンケアが重要です。
壊死が進行し瘢痕や皮膚の変形が残った場合、形成外科的アプローチが検討されます。
必要に応じて、瘢痕切除や皮膚移植、レーザー治療などが選択肢となります。これらの処置には専門性が求められるため、医師との十分な相談が不可欠です。
壊死後には、色素沈着や炎症後紅斑が長期的に残ることがあります。
これらに対しては、ハイドロキノンやトラネキサム酸の外用、あるいはレーザー治療が有効です。
治療は皮膚の状態や体質によって異なるため、専門医の診察が重要です。
壊死によって損傷した部位への再注入は、治癒後のタイミングと皮膚状態を慎重に見極める必要があります。
再発リスクや組織の脆弱性を考慮し、再注入が可能かどうかは必ず医師の判断を仰ぐようにしましょう。
安全性を最優先とし、必要であれば別の施術方法を検討する選択肢もあります。
ヒアルロン酸注入後に起こるしこりや固まった部分は、放置すると形の崩れや違和感、最悪の場合、壊死してしまう原因になります。
当院では、これらを安全に溶解し、自然な形に修正することが可能です。
また、溶かした部位に対して再注入する際には、同じトラブルが起こらないよう適切な方法で施術します。さらに、溶解によりたるんでしまった皮膚に対してはタイトニングを行い、見た目のバランスを整えます。
形成外科専門医であり、日本美容外科学会(JSAPS)の正会員として10年以上の経験を積んできた院長が執刀します。
これまで多くのヒアルロン酸後遺症の修正を手がけてきたため、トラブルが複雑なケースでも適切に対応可能です。
専門性の高い医師が施術を行うことで、安全性と仕上がりの満足度を両立しています。
当院では、海外からお越しの患者様にも各種美容医療を安心して受けていただける体制を整えております。院長が英語で直接ご説明できるほか、中国語など多言語の通訳サポートもご利用いただけます。
At our clinic, we have established a system that allows patients from overseas to receive a wide range of aesthetic treatments with peace of mind.
The director is fluent in English and able to provide direct explanations. In addition, multilingual interpretation support, including Chinese, is available.