トランスジェンダー女性（MTF）の方が胸を大きくしたいと考える場合、いくつかの医療的手段があります。
それぞれの方法には特性やリスク、効果の持続性が異なりますので、ご自身の目的や体質、ライフスタイルに合った選択が重要です。本記事では、美容外科医の立場から、それぞれの手法について専門的かつ冷静に解説します。
男性が胸を大きくする方法
シリコンバッグ豊胸
しっかり大きくしたい人におすすめ
シリコンバッグ豊胸とは、人工のシリコン製バッグを胸部に挿入してバストを形成する手術です。
この方法は、バストの大きさ・形を比較的自由にデザインできる点が大きな利点です。ホルモン治療だけでは十分なバストサイズが得られない方にとって、有力な選択肢となります。
シリコンバッグは、体内での位置をしっかりと固定しやすく、長期的なボリューム維持が可能です。
外科的手術であるため、全身麻酔や術後のダウンタイムが必要となります。
また、感染やカプセル拘縮といった合併症のリスクもありますので、術後のフォローアップが不可欠です。当院では男性の患者様も施術してきた実績があるのでお気軽にお問い合わせください。
脂肪注入豊胸
自然な触感を重視する人向け
脂肪注入豊胸とは、自分の体から採取した脂肪を胸に移植することでボリュームを出す方法です。
この技術は、注入された脂肪が定着すれば、非常に自然な見た目と触感が得られる点が魅力です。特に、ホルモン治療により乳腺が発達している方にとっては、脂肪の定着率も高まりやすく、効果が期待できます。
ただし、脂肪注入にはいくつかの制約があります。
まず、十分な脂肪量が採取できることが前提です。また、一度の施術で得られるサイズアップには限界があり、複数回の施術が必要になるケースもあります。さらに、脂肪がしこり化したり、石灰化するリスクも存在します。
これらの点を考慮すると、脂肪注入豊胸は、自然な仕上がりを重視する方や、術後の身体への負担を最小限に抑えたい方に適した方法です。ですが、確実なボリュームアップを望む場合は、シリコンバッグとの併用も視野に入れるべきです。
ヒアルロン酸注入
手軽に試したい人に
ヒアルロン酸注入とは、バストに専用のヒアルロン酸製剤を注射してボリュームを出す方法です。ヒアルロン酸とは、皮膚や関節に存在する保湿性の高い成分で、水分を保持する働きがあります。この施術は切開を伴わず、ダウンタイムが少ないため、一時的なバストアップを希望する方には手軽な手段とされています。
しかし、ヒアルロン酸による豊胸は根本的なバスト形成には適しません。注入されたヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されていきますので、効果は半年から1年程度と短期的です。また、硬さやしこり感、左右差などの問題が生じることもあり、理想の形状を維持するのは難しい場合があります。
さらに、注入部位で痛みや腫れ、異物感が生じた場合には、ヒアルロン酸の除去が必要です。これは、注入製剤が体内で炎症反応を引き起こしている可能性があるためです。痛みが出た場合には、放置せず早期に医療機関で適切な処置を受けるべきです。
医師紹介
藤林 万里子
（GLAMRULE CLINIC GINZA 院長）
東京美容外科銀座院の院長として、多くの患者様の悩みに寄り添ってきた経験を活かし、銀座にグラムルールクリニックを新たに設立。
「女性による女性のためのクリニック」をコンセプトにしながら安全性と自然な仕上がりができる豊胸施術を専門に美容医療を提供しています。
豊胸施術を始めとする美容整形に関するお悩みがありましたら気兼ねなくLINEからご相談ください。
- 日本形成外科学会 認定専門医
- 日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
- 2016年 スキンリファインクリニック吉祥寺院院長 勤務
- 2021年 東京美容外科 銀座院院長 勤務
- 2024年 GLAMRULE CLINIC 銀座院 院長
