
脂肪豊胸を受けたものの、「思ったよりバストが小さくなった」「左右差が気になる」といった悩みを抱える方は少なくありません。なぜ注入した脂肪が定着しなかったのか、再手術をすべきか、他にもっと確実で自然な方法があるのか。
そうした疑問に対して、単なる感想ではなく、医師として冷静かつ明確な見解をお伝えします。
本記事では、脂肪が定着しなかった理由から、2回目以降の施術の判断材料、そして代替となる他の豊胸術まで、医学的根拠と実際の臨床経験に基づいて解説します。

脂肪豊胸の定着率は約30〜50%が定着するケースが多く、不純物を除去する”コンデンスリッチ豊胸であっても良くて50%”ほどです。脂肪豊胸は特に個人差が大きく、全く定着しない人もいます。
脂肪豊胸では、術後しばらくしてバストサイズが徐々に小さくなる現象が多く見られます。

これは、注入された脂肪の一部が体内で吸収されるためです。定着とは、脂肪が注入先の組織で血流を得て生着することを意味し、これがうまくいかなかった場合は吸収、または壊死を起こします。
定着しなかった脂肪の多くは自然に吸収されますが、その過程で「思ったより小さくなった」「左右差が目立つようになった」といった不満が生じやすくなります。
また、吸収されなかった脂肪が一部で壊死した場合、しこり(脂肪硬結)や石灰化が発生する可能性があり、外見だけでなく触感にも影響を及ぼします。
症状としては、「注入部が硬くなった」「圧痛がある」「左右で形が違う」「注入部が凹んできた」といった訴えが多く、特に術後3ヶ月以降に症状が変化する場合には注意が必要です。
脂肪の定着不良が明らかになった場合、以下の3つの対応を検討すべきです。
とくに、注入部に痛みを伴うしこりがある場合には、自然に改善する可能性は低く、放置は避けるべきです。
採取した脂肪に血液や壊死細胞などの不純物が混ざっていると生着率が下がります。
コンデンスリッチ法でも不純物除去は可能ですが、完全とはいえず定着率は良くて50%ほどです。
大量の脂肪をまとめて注入すると、血管の再生が追いつかず酸素不足になり、脂肪壊死を招く可能性があります。その結果、かえって定着率が下がるケースもあります。
術後の以下の行動は定着を阻害します。
マッサージやうつ伏せ寝、ワイヤーブラによる圧迫は血流を妨げ、不均一な生着やしこりにつながります。過度な体重変動、喫煙・飲酒、冷やし過ぎや長風呂も血行不良の原因となるため定着しない要因になります。
2回目の脂肪豊胸では、1回目で皮膚が柔らかくなり血流環境が整うことから、定着率が向上する傾向があります。また、中にはダウンタイムが軽減される方も居ますが、すべての人に当てはまるわけではありません。
技術的な問題か生活習慣かなど、定着不良の原因をまず明確にする必要があります。さらに体質や脂肪採取可能部位によっては2回目に適さない場合もあります。6ヶ月程度の間隔や費用面を踏まえて判断すべきです。
脂肪豊胸を売りとするクリニックの多くは「2回目なら」「3回目なら」と、次回の定着率が上がることを営業トークとして話して来ることが多いです。
人によっては2回したのにもかかわらず、全く定着せず金ドブ状態になってしまう声も少なくありません。実際に当院にも他院で2回脂肪豊胸をして、全く定着しなかったためにセカンドオピニオンへ訪れた患者様もいらっしゃいます。

シリコンバッグ豊胸とは、人工のバッグ(シリコンインプラント)を胸部に挿入することで、半永久的なボリュームアップを目指す豊胸術です。
「一度の手術で明確なサイズアップが可能」で、注入量の制限がないため、痩せ型の方や脂肪が十分に採取できない方でも、安定して希望サイズに近づけることができます。
形状の選択肢も豊富で、左右差の調整やデコルテの立ち上がりの強調など、細かなデザインの再現が可能です。
※現在主流のインプラントは、破損しにくいコヒーシブシリコンを用いており、過去のような破裂リスクは非常に低減されています。
脂肪豊胸と比べ、術後のボリューム変動が少ない点も特徴です。脂肪は体重や代謝の影響を受けて変化しやすいのに対し、シリコンバッグは術後も一定の大きさを維持できるため、「サイズが戻るのが心配」という方には適した選択肢となります。

ハイブリッド豊胸とは、「シリコンバッグ豊胸」と「脂肪注入豊胸」を組み合わせた方法です。土台にシリコンバッグを挿入し、その後脂肪を被せることで、人工物の輪郭を自然にカバーし、触り心地も柔らかく整えることが可能になります。
主に以下のメリットと注意点があります。
自然な感触と確実なサイズアップが両立でき、やせ型の方でも大きなバストアップが可能です 。
シリコンバッグ挿入による破損リスク、脂肪吸引に伴う吸引部の凹凸やたるみなど、両者のリスクを併せ持ちます。また感染リスクやしこり形成の可能性もゼロではありません。さらに脂肪は100%定着するわけではなく、術後には適切なケアと経過観察が必要です。
脂肪豊胸は「一度で理想のバストになる」とは限らず、複数回行っても思うように定着せず、費用や身体への負担に苦しむ方も少なくありません。
当院では、定着しにくい原因を分析し、再注入ではなく**別のアプローチ(シリコンバッグ・複合施術など)**をご提案することも可能です。無駄な再手術を繰り返さず、効率的に理想のバストへ近づけます。
脂肪豊胸に伴う脂肪吸引では「太ももやお腹がボコボコになった」「皮膚がたるんでしまった」といった後悔の声も多くあります。
当院では吸引部の凹凸を整える脂肪再注入・タイトニング治療を組み合わせ、滑らかなラインを回復させることが可能です。
脂肪が壊死してしこり(オイルシスト)を形成してしまうケースも珍しくありません。
放置すると炎症や感染の原因となるため、しこり除去や溶解処置が必要です。当院では形成外科的な処置と同時に、バストラインを美しく再構築するプランをご用意しています。
単純な除去や修正だけで終わらせず、同時により確実な豊胸方法(シリコンバッグ挿入や改良された脂肪注入)を行うことで、理想のバストを実現することも可能です。
「2回、3回やっても満足できなかった」という方には、一度の手術で確実な結果が期待できるシリコンバッグ豊胸をご提案することもあります。
ただし、しこりの状態や皮膚の状況によって最適な方法は異なるため、術前診断で最も適した治療法を判断します。

形成外科専門医は高度な専門性を求める資格です。
医師免許取得後、6年以上経過し、2年間の初期臨床研修の後、認定施設での4年以上の形成外科研修に加え、学会講習会への参加や論文発表などの要件を満たし、資格試験に合格する必要があります。
当院は形成外科専門医による豊胸修正や再建などの複雑な施術に対応しています。
10年以上の形成外科手術の経験を活かし、「もう失敗したくない」という患者様の気持ちに応え、安全性と確実性を重視した施術を提供しています。
当院では、海外からお越しの患者様にも各種美容医療を安心して受けていただける体制を整えております。院長が英語で直接ご説明できるほか、中国語など多言語の通訳サポートもご利用いただけます。
At our clinic, we have established a system that allows patients from overseas to receive a wide range of aesthetic treatments with peace of mind.
The director is fluent in English and able to provide direct explanations. In addition, multilingual interpretation support, including Chinese, is available.