脂肪注入豊胸で定着しなかった原因と二次で選ぶべき代替案

脂肪注入豊胸で定着しなかった原因と二次で選ぶべき代替案

脂肪豊胸を受けたものの、「思ったよりバストが小さくなった」「左右差が気になる」といった悩みを抱える方は少なくありません。なぜ注入した脂肪が定着しなかったのか、再手術をすべきか、他にもっと確実で自然な方法があるのか。

そうした疑問に対して、単なる感想ではなく、医師として冷静かつ明確な見解をお伝えします。

本記事では、脂肪が定着しなかった理由から、2回目以降の施術の判断材料、そして代替となる他の豊胸術まで、医学的根拠と実際の臨床経験に基づいて解説します。

目次

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脂肪豊胸の定着率とは?期待できる効果と限界

脂肪豊胸の平均定着率(30〜70%)

脂肪豊胸の定着率とは、注入直後と比較して、最終的に体内に生着して残る脂肪の割合のことです。
一般的な脂肪注入では約30〜50%が定着するケースが多く、コンデンスリッチ法では不純物を除去することで50〜70%程度まで向上します。ただし個人差は大きく、実際には30%前後にとどまる場合もあります。

定着しなかった場合の影響と症状

脂肪豊胸では、術後しばらくしてバストサイズが徐々に小さくなる現象が多く見られます。

これは、注入された脂肪の一部が体内で吸収されるためです。定着とは、脂肪が注入先の組織で血流を得て生着することを意味し、これがうまくいかなかった場合は吸収、または壊死を起こします。

定着しなかった脂肪の多くは自然に吸収されますが、その過程で「思ったより小さくなった」「左右差が目立つようになった」といった不満が生じやすくなります。また、吸収されなかった脂肪が一部で壊死した場合、しこり(脂肪硬結)や石灰化が発生する可能性があり、外見だけでなく触感にも影響を及ぼします。

症状としては、「注入部が硬くなった」「圧痛がある」「左右で形が違う」「注入部が凹んできた」といった訴えが多く、特に術後3ヶ月以降に症状が変化する場合には注意が必要です。これらは自然な吸収と区別しにくいため、医師による定期的な経過観察が必要となります。

脂肪の定着不良が明らかになった場合、医師としては以下の3つの対応を検討すべきと考えます

  1. 経過観察を継続し、自然吸収に任せる(軽度の場合)
  2. しこりや石灰化が疑われる場合は、超音波検査などで確認し、必要に応じて除去を検討
  3. ボリューム維持を希望する場合は、再注入や他の豊胸法への切り替えを提案

とくに、注入部に痛みを伴うしこりがある場合には、自然に改善する可能性は低く、放置は避けるべきです。

脂肪が定着しなかった理由と主要要因

不純物を含む脂肪の注入による定着不良

採取した脂肪に血液や壊死細胞などの不純物が混ざっていると生着率が下がります。コンデンスリッチ法でも不純物除去は可能ですが、完全とはいえず定着率は100%にはなりません。

一度に大量注入による血流阻害と壊死リスク

大量の脂肪をまとめて注入すると、血管の再生が追いつかず酸素不足になり、脂肪壊死を招く可能性があります。その結果、かえって定着率が下がるケースもあります。

術後のケア不足

術後の以下の行動は定着を阻害します。マッサージやうつ伏せ寝、ワイヤーブラによる圧迫は血流を妨げ、不均一な生着やしこりにつながります。過度な体重変動、喫煙・飲酒、冷やし過ぎや長風呂も血行不良の原因となるため注意が必要です。

2回目以降の脂肪豊胸はすべき?メリットと注意点

再注入による定着率向上の効果

2回目の脂肪豊胸では、1回目で皮膚が柔らかくなり血流環境が整うことから、定着率が向上する傾向があります。また、中にはダウンタイムが軽減される方も居ますが、すべての人に当てはまるわけではありません。

2回目を検討する判断材料

技術的な問題か生活習慣かなど、定着不良の原因をまず明確にする必要があります。さらに体質や脂肪採取可能部位によっては2回目に適さない場合もあります。6ヶ月程度の間隔や費用面を踏まえて判断すべきです。

2回目のリスクと注意事項

再度のダウンタイムが生じ、採取部位の制限や量の制御が必要になることもあります。また、割引や保証制度の確認も重要です。

脂肪豊胸より“確実で自然”な代替法は?手術別の比較

シリコンバッグ豊胸

シリコンバッグ豊胸とは、人工のバッグ(シリコンインプラント)を胸部に挿入することで、半永久的なボリュームアップを目指す豊胸術です。「一度の手術で明確なサイズアップが可能」で、注入量の制限がないため、痩せ型の方や脂肪が十分に採取できない方でも、安定して希望サイズに近づけることができます。

形状の選択肢も豊富で、左右差の調整やデコルテの立ち上がりの強調など、細かなデザインの再現が可能です。

※現在主流のインプラントは、破損しにくいコヒーシブシリコンを用いており、過去のような破裂リスクは非常に低減されています。

脂肪豊胸と比べ、術後のボリューム変動が少ない点も特徴です。脂肪は体重や代謝の影響を受けて変化しやすいのに対し、シリコンバッグは術後も一定の大きさを維持できるため、「サイズが戻るのが心配」という方には適した選択肢となります。

ハイブリッド豊胸

ハイブリッド豊胸とは、「シリコンバッグ豊胸」と「脂肪注入豊胸」を組み合わせた方法です。土台にシリコンバッグを挿入し、その後脂肪を被せることで、人工物の輪郭を自然にカバーし、触り心地も柔らかく整えることが可能になります。

主に以下のメリットと注意点があります。

メリット

自然な感触と確実なサイズアップが両立でき、やせ型の方でも大きなバストアップが可能です 。

注意点

シリコンバッグ挿入による破損リスク、脂肪吸引に伴う吸引部の凹凸やたるみなど、両者のリスクを併せ持ちます。また感染リスクやしこり形成の可能性もゼロではありません。さらに脂肪は100%定着するわけではなく、術後には適切なケアと経過観察が必要です。

医師紹介
藤林万里子院長
藤林 万里子
(GLAMRULE CLINIC GINZA 院長)
東京美容外科銀座院の院長として、多くの患者様の悩みに寄り添ってきた経験を活かし、銀座にグラムルールクリニックを新たに設立。
「女性による女性のためのクリニック」をコンセプトにしながら安全性と自然な仕上がりができる豊胸施術を専門に美容医療を提供しています。
豊胸施術を始めとする美容整形に関するお悩みがありましたら気兼ねなくLINEからご相談ください。
主な資格
  • 日本形成外科学会 認定専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
経歴
  • 2016年 スキンリファインクリニック吉祥寺院院長 勤務
  • 2021年 東京美容外科 銀座院院長 勤務
  • 2024年 GLAMRULE CLINIC 銀座院 院長

GLAMRULE CLINIC GINZA-グラムルールクリニック銀座-

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