- 日本形成外科学会 認定専門医
- 日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
- 2016年 スキンリファインクリニック吉祥寺院院長 勤務
- 2021年 東京美容外科 銀座院院長 勤務
- 2024年 GLAMRULE CLINIC 銀座院 院長
裏ハムラ法は、目の下のたるみやクマを根本的に改善する美容施術として高い人気を誇ります。
しかし、術後には血腫という合併症が起こる可能性があり、不安を感じる方も少なくありません。
本記事では、裏ハムラ術後に起こり得る血腫の特徴や原因、見分け方、適切な対処法を解説します。
裏ハムラ法とは、下まぶたの内側からアプローチして眼窩脂肪を移動・再配置することで、目の下のくぼみやふくらみを改善する美容手術です。
この術式において起こり得る合併症のひとつが血腫です。
血腫とは、皮下や組織内に血液がたまる状態であり、術後の腫れや痛みの原因となることがあります。
特に出血がコントロールされずに内部に血液が漏れたままになると、見た目の変化だけでなく、術後の回復にも影響を及ぼします。
裏ハムラ術では皮膚を切開せずにまぶたの裏側(結膜側)から脂肪を操作するため、表面からは傷が見えにくい一方で、内部での出血が外見上目立ちにくく、異変の早期発見が難しくなる可能性があります。
血腫が形成されると、腫れが長引いたり左右差が生じたりすることがあり、審美的な満足度に影響を及ぼすことがあります。
術後にある程度の腫れや内出血は一般的であり、必ずしも異常ではありません。
術後1〜3日間は下まぶたの軽度な腫脹や青紫色の内出血斑が見られますが、これは正常な経過の一部とされています。
その後、内出血は紫から緑、黄色へと色調を変えながら徐々に消退していくのが一般的です。
急激に腫れが増す、左右非対称な腫脹、痛みの増強、局所の熱感、まぶたの開閉困難などの症状がある場合は、血腫の可能性があるため注意が必要です。
特に、視野の狭まりや視力の異常を伴う場合には、眼窩内の血腫が視神経に影響している可能性もあるため、早急な対応が求められます。
血腫は術後早期、特に24〜48時間以内に発症することが多いとされており、この期間はとくに注意深い経過観察が必要です。
ただし、個人差も大きいため、術後のどの時点でも異常があれば早めに医療機関に相談することが大切です。
血腫の発生には、手術時の止血処置の不十分さや剥離範囲の広さなどが関与します。
特に、細かな血管の損傷が放置された場合、術後に組織内へ出血が広がり血腫を形成する可能性があります。
個人の血管の分布や皮膚の厚さなどの解剖学的な個体差も血腫のリスクを左右します。
血管が密集している部位での操作は、出血しやすく、注意が必要です。
術後の血圧上昇や、顔面への衝撃、うつ伏せ寝や目をこする行動なども血腫の原因となりえます。
また、抗血小板薬や抗凝固薬を服用している場合、術後出血のリスクが高まるため、事前の申告と調整が不可欠です。
出血傾向や止血異常、血管の脆弱性といった体質的要因も血腫リスクに影響します。
これらは術前の問診や血液検査で評価可能であり、事前の医師への情報提供が重要です。
| リスク因子 | 詳細内容 |
|---|---|
| 術中の出血管理 | 止血不十分、剥離範囲の広さ |
| 解剖学的個体差 | 血管の分布や皮膚の薄さ |
| 術後の生活習慣 | 高血圧、激しい運動、強い接触や圧迫行動 |
| 服用薬の影響 | 抗血小板薬、抗凝固薬の使用 |
軽度の血腫は、数日から1週間程度で自然に吸収されることが多いとされています。
冷却や安静を保ちながら経過を観察し、腫れが悪化しないか、痛みが増していないかを確認することが大切です。
腫れが急速に進行する、強い痛みや視野障害があるといった中等度以上の血腫では、医師による穿刺やドレナージといった処置が必要になることがあります。
眼窩内の血腫は視神経に影響を及ぼす危険性があるため、迅速な処置が求められます。
血腫が長期間組織内に残ると、細菌感染のリスクが高まります。
熱感や発赤、膿の排出などがある場合には感染の可能性があり、抗生剤の内服や必要に応じて外科的対応が検討されます。
圧迫用ガーゼの適切な使用、冷却の継続、処方薬の指示通りの服用などが、血腫の再発予防と早期改善に寄与します。
処置後も定期的に医師の診察を受け、経過を観察することが重要です。
一般的には、血腫や内出血は術後1〜2週間で外見上目立たなくなる傾向があります。
ただし、個人差があり、完全に腫れが引くまでには数週間〜数ヶ月かかることもあります。
術後の腫れや違和感、左右差が残ることもありますが、多くは1ヶ月以内に軽快していきます。
硬さが気になる場合は医師の指示に従ってマッサージや温罨法が行われることもあります。
術後1週間程度は、血流が促進されやすい行動(激しい運動、長時間の入浴、うつ伏せ寝など)は控える必要があります。
スマートフォンやパソコンの使用についても、目の疲労を避けるため術後数日は控えめにし、段階的に再開するのが理想的です。
術後の再出血を防ぐには、血圧管理が非常に重要です。特に術後数日は安静を保ち、洗顔時の刺激や圧迫を避けるようにしましょう。
医師からの生活指導を守ることが、良好な回復に繋がります。
術後24時間以内に急激な腫れ、強い痛み、視力や視野の変化、まぶたの動きに異常を感じた場合は、ただちに医療機関を受診するべきです。
これらは血腫が進行し、眼窩内構造に影響している可能性があります。
腫れが引かない、内出血が拡大する、強い痛みが続く、左右差が目立つといった症状がある場合には、速やかに主治医へ相談することが大切です。
視力に関する異常がある場合は緊急性が高いため、受診を遅らせないようにしましょう。
受診時には、症状が出た時刻、症状の推移、どのような処置を自宅で行ったかを具体的に伝えると、医師の診断がより正確になります。
必要に応じて、視診や触診に加え、超音波やCTなどで血腫の大きさや深さを確認することがあります。