- 日本形成外科学会 認定専門医
- 日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
- 2016年 スキンリファインクリニック吉祥寺院院長 勤務
- 2021年 東京美容外科 銀座院院長 勤務
- 2024年 GLAMRULE CLINIC 銀座院 院長
「安い脂肪豊胸」の広告に惹かれて、手軽にバストアップを目指したいと考える方は少なくありません。しかし実際には、脂肪が定着しにくい・しこりができる・吸引部に凸凹が残るといったトラブルが起きやすく、再手術(いわゆる二次・三次)が必要になるケースも多いのが実情です。
結果として、施術を重ねるたびに費用も膨らみ、最終的には「初めからしっかりした方法を選べばよかった」と後悔する声も少なくありません。
こうしたリスクを避け、確実かつ長期的にバストを維持したいのであれば、最初からシリコンバッグ豊胸を選択することをおすすめします。
脂肪吸引とは、脂肪組織を体の一部から取り除く施術のことです。安価な施術では経験の浅い医師や設備の整っていない施設が多く、吸引量が不均一で凹凸が残るリスクがあります。
術後に「想像以上に凹凸が目立つ」と感じても、自己修正は非常に困難です。専門的な修正手術が必要となるケースが少なくありません。このような外観の不満が精神的な負担になることもあり、しっかり避けるべきです。
脂肪定着率とは、注入後に生き残り、維持される脂肪の割合を指します。一般に初回での定着率は30〜70%と個人差が大きく、安い施術では質の高い処理・注入が不十分なケースが目立ちます。
結果、数ヶ月以内にボリュームが大幅に減少し「胸が戻った」と感じることが多いです。この場合、再度の施術=二次・三次が必要になる可能性が高いです。
ダウンタイムとは、手術後に日常生活が制限される期間のことです。安い脂肪豊胸では短時間で大量に注入したり、吸引部のケアが不十分だったりと、腫れ・痛み・内出血が長引くことがあります。
特に、生活や仕事のスケジュールに影響が出るほどのダウンタイムは、計画を立てて行動したい人にとって大きな負担です。こうした場合も、再施術や長期休養が必要になる可能性が高いです。
形成外科的な合併症(感染、しこり、血腫など)は保険対象外です。そのため、トラブルが起きても自己負担での対応になるケースが一般的です。
安い施術ほど補償制度が整っておらず、後の診察・治療に高額な費用がかかることがあります。複数回の施術を前提としている場合、トータルのコストはむしろ高くなる可能性があります。
生着とは、注入された脂肪がその場所で生き残ることです。人によって定着率には大きな個人差があり、安価な施術では高定着率のための丁寧な操作や技術が不足しがちです。
その結果、複数回の追加注入=二次・三次が必要になり、総費用が想定以上にかかることが多いです。このような場合、初回価格の安さだけで判断すべきではありません。
脂肪注入後に生じることのあるしこり(脂肪塞栓性の塊)や、石灰化とは、脂肪組織内にカルシウムが沈着して硬くなる現象です。安価な施術では精密な注入操作やフォローが不足し、合併症のリスクが高まります。合併症が発生すれば除去や修正のための処置が必要です。この場合、除去すべきです。
冒頭でも述べたように、吸引部の不均一性や長いダウンタイムは、見た目や生活上のストレスにつながりやすいです。これらのストレスが原因で再施術を希望する患者さんが少なくありません。つまり、初回価格だけで判断すると“再手術コスト”が嵩むことになります。
血流とは、注入部への十分な血の供給を指します。皮膚の余剰とは、注入スペースを意味します。これらが不十分だと脂肪は生着しにくく、定着率の低下や凹凸の原因になります。安価な施術では術前評価が省略されがちなので、こうした条件不足により二次以降が必要になることが多いです。
シリコンバッグとは、医療用シリコンで作られたバッグを乳腺下や筋膜下に留置する施術です。メリットはバストサイズのコントロール性が高く、脂肪豊胸よりも自然な触感を得やすい点です。
必要に応じて、筋膜下・乳腺下・ハイブリッド(脂肪+シリコン)により調整可能です。痛みや合併症があった場合は、基本的に除去すべきです。その判断が迅速にできるのも安心材料の一つです。
シリコンバッグは定着が前提で、体内での減少がありません。
一方、脂肪豊胸は定着率に依存し、10年でサイズが小さくなる可能性があります。またバッグはサイズ設計が正確であり、被膜拘縮など問題が起きた際も取り出し・交換が可能です。
価格帯は100万円前後であり、長期的に見ると脂肪豊胸の再施術や修正の累計金額と比べてコスパが良い傾向があります。
脂肪注入後の胸は、脂肪細胞の生着や代謝により徐々にボリュームが減少する可能性があります。特に最初の数年で減少が目立ち、10年後には当初の半分以下に戻るケースもあります。定期的な再注入が必要であり、それが時間と費用の負担になります。
項目 | 脂肪豊胸(安価) | シリコンバッグ豊胸 |
---|---|---|
初期費用 | 約40万~90万円 | 約90〜150万円 |
ccでの費用変動 | あり | なし |
再手術の可能性 | 高い(2〜3回) | 低い |
サイズ保証性 | なし | あり |
総コスト(10年間) | 約80〜270万円 | 約90〜150万円 |
脂肪豊胸は一見安価に見えても、脂肪吸引代や再手術費用を含めると総額で100万円を超えることが多く、長期的な視点ではシリコンバッグのほうが明確にコストを抑えやすい選択肢といえます。